「リーン・オン」の世界的大ヒットから早3年。音楽&ファッション業界が大注目の、エレクトロ・ポップ界の個性派アーティスト、MØ(ムー)がニューアルバム「フォーエバー・ネバーランド」をリリース!

約3年前、メジャー・レイザー&DJ スネイクの楽曲「リーン・オン」に参加し、彗星の如くシーンに現れたエレクトロ・シンガーMØ(ムー)のニューアルバム「フォーエバー・ネバーランド」が10月24日(水)にリリースされる。瞬く間にスターとなった彼女が、自身のルーツに今まで以上に向き合って完成したアルバムだ。

このコラムでは、最新アルバム「フォーエバー・ネバーランド」や、音楽業界だけではなくファッション業界からも注目を浴びる彼女の魅力を分析してみよう。

独特で一度聴いたら忘れない特徴的な歌声を持つMØのルーツはデンマーク。その歌声にディプロも絶賛!

1988年にデンマークで生まれたMØは、7歳の時にスパイス・ガールズの影響で音楽に興味を持った。パンク・バンドのヴォーカリストとして活動後、2013年にソロ・シンガーとしてデビュー。2014年にはデビューアルバム「ノー・マイソロジー・トゥー・フォロー」をリリースし、母国デンマークのアルバム・チャートで2位を記録した。

その後、音楽プロデューサーのディプロと出会い、人生の転機が訪れた。2015年3月にリリースされたメジャー・レイザー&DJ スネイクとの楽曲「リーン・オン」が爆発的なヒットを記録。彼女は一躍有名人となったのである。

Major Lazer & DJ Snake – Lean On (feat. MO) (Official Music Video)

病みつきになる民族的なサウンドとダンスが話題になり、ビデオの再生回数は23億回、ストリーミングでは11億回以上も再生され、世界中でプレイされるクラブアンセムとなった。

ディプロとの伝説はこの曲だけに留まらない。2016年7月に発表したメジャー・レイザーのシングル「コールド・ウォーターfeat. ジャスティン・ビーバー&ムー」は、イギリス、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランドで1位、アメリカでは2位を記録し、連続で大ヒットを記録。

Major Lazer – Cold Water (feat. Justin Bieber & MO)

言うまでもなく、この出来事で人生がガラリと変わったMØは、「コーチェラ」や「グラストンベリー」など世界中のフェスに出演するほか、日本にもサマーソニック2016と単独公演も果たし、エレクトロ・ポップ界の個性派アイコンの地位を確立した。

そんな中、「カミカゼ」や「ファイナル・ソング」などのヒット曲も収録されている最新作「フォーエバー・ネバーランド」の発売は、次回作を待ちわびていたファンにとって嬉しいサプライズとなった。

アルバムの誕生秘話にフォーカスする前に、彼女を象徴する個性的なファッションについても触れてみよう。

日本のファッションが大好きなMØ。性別を超えた自由なスタイルを貫く彼女の、ファッションの絶対的ルールとは?

これまでにアレキサンダー・ワンやナイキ、Elie Saabなどのファッションブランドとコラボを果たし、数々のファッション業界から注目を集めているMØだが、ファッションにおける独自のルールを持っているようだ。

「ヴィンテージとハイエンドなデザイナーのものをミックスすることが重要だと思っているわ。常にそれを意識しているの。昔から、アレキサンダー・ワンがずっと好きで、今はバレンシアガにはまっている。地元のデザイナーだとアストリッド・アンダーセンが好き。それから、ガニーもおすすめね。」

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Tomorrow I'm releasing my album artwork. FOREVER NEVERLAND ∞🌟∞ . Pic by @frydfrydendahl

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去年、長い髪をバッサリ切ってショートヘアにイメチェンしたMØは、現在のヘアをとても気に入っている様子。「私のスタイルは基本的にアンドロジナスな(自由で性別を超えた)テイストなんだけど、ショートヘアははっきりした色の口紅や大きめのイヤリングで遊べるし、フェミニンな服を着ても面白いの。」

彼女のスタイルは日本にインスパイアされた部分もあるそうで、日本滞在中には原宿のキャット・ストリートで買い物をしたり、話題のブランドをチェックする姿もキャッチされていた。

「東京は、目に入る人みんなが、素晴らしいファッション・センスの持ち主だったわ。あんなにも服を買うのにたくさんおのお金を使ったことは、あとにも先にもない(笑)。なぜって、日本で売っているものはすごく親しみが持てるんだけど、どこかがひと味違って、ヒネリがあるのよ。とにかく夢中にさせられたの。」と、インタビューで嬉しいメッセージを聞くことができた。

エンタメの聖地ロサンゼルスは、エネルギーに満ち溢れた夢の街。故郷デンマークとLAの往復生活が、アルバムタイトルのヒントに

ロサンゼルスと故郷を行き来しながらの生活を通じて学んだことが、アルバム「フォーエバー・ネバーランド」に収録されている楽曲の歌詞にも反映されている。

「リーン・オン」の大ヒット後、ロサンゼルスで音楽活動をすることを周りに勧められた時、「すごく怖かった」と彼女は語る。

「最近のミュージシャンの多くは、ロサンゼルスに長い間滞在して色んなソングライターやプロデューサーと共作したりするのが普通でしょ?そうするのが当たり前だとみんな考えているのよ。」

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3 weeks ∞ 🌟∞

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MØにとってソングライティングは私的で内向的なものだったため、誰かと一緒に曲を書くというようなセッションには慣れていなかったそうだ。

「ロサンゼルスは、外の世界から切り離されていて独自に完結しているような街。ミュージシャンや俳優の卵があちこちから集まっているし、毎日晴天だし。そういうロサンゼルスを私は、一種の“ネヴァーランド”という風に解釈したのよ。だからタイトルを『フォーエバー・ネバーランド』にしたわけ。」

一見華やかな街ロサンゼルスだが、彼女は手にした栄光に溺れないように、地に足をつけて音楽と向き合った。その姿は、音楽に対する一切の妥協を許さない精神がうかがえる。

ディプロを始めとする有名プロデューサー陣とタッグを組んだ、「フォーエバー・ネバーランド」は、自分らしさを追求した渾身の1枚

「フォーエバー・ネバーランド」のトラックリストを見ると、カシミア・キャット、SOPHIEなどの豪華なプロデューサー陣の名前があり、It’s Overには同年代のチャーリーXCXがフューチャーされている。

コーチェラ・フェスティバルのMØのステージに参加しているチャーリーXCXについては、インタビューで「彼女の音楽が大好き。ソングライターとして大きな才能の持ち主であるだけでなく、表現者としても然りで、様々なポリティカルな主張もしている。アルバムに参加してもらえて本当にうれしいわ。」と語っている。

ディプロとタッグを組んだ「サン・イン・アワー・アイズ」は、美しい言葉が並んだ恋愛中の心境を表した曲。ディプロが特に気に入っており、リリックビデオと共にツイッターで「彼女は世界で最も美しい声を持っている。特に『サン・イン・アワー・アイズ』は、ふたりで作った曲の中でも一番の曲だよ。」と絶賛のコメントを寄せているほどだ。

MØ, Diplo – Sun In Our Eyes (Official Video)

そして、再生回数1億回超えのシングル、「ファイナル・ソング」や「カミカゼ」も収録されており、満足度が高い仕上がりとなっている。

MØ – Final Song (Official Video)

MØ – Kamikaze (Official Video)

このアルバムを制作するにあたり、アーティストとして、自分らしいサウンドとは何なのかを明確にすることに、相当な時間をかけたと語った。

何をテーマにアルバムを作るべきなのかわからない時に、メイジャー・レーザーとの「リーン・オン」が大ヒットして、慌しい生活が続いたMØは、いざ自分の音楽を作ることに思ったよりも時間を要したそうだ。

「1枚の作品として、一貫性があって特徴的なサウンドに貫かれていて、メッセージを込めたちゃんとしたアルバムを作りたかったの。ストーリーを築きたかったから、単にヒット曲を10曲集めてアルバムにするなんてことは考えられなかったわ。」

人生をガラリと変えるほどの経験をしたが、その栄光に溺れることなく、アーティストとして原点に戻り、ストーリーに満ちた作品を完成させることにこだわった。

「何か一つのことに偏ったものではなく、音楽的にも一人の人間としても、私の様々な面を見せたかった。まるでひとつの旅みたいなアルバムを目指したの。ポップ何だけどエッジがあって、ダークな部分もあるようなね。」

自分はどこから来たのか、どんな音楽を届けたいのか。個性派シンガーMØは、しっかりとしたポリシーを持ち、周囲の色に染まることなく、周りを自分の色に染めてしまう。

一切の妥協なく完成したアルバム、「フォーエバー・ネバーランド」。音楽的にも内面的にも大きな成長を遂げた彼女のフィーリングを、是非感じてみてはいかがだろうか。


MØ自身による「好きな女性アーティスト」プレイリスト公開中

現在、アルバムの発売を記念して、MØ自身が「好きな女性アーティスト」をセレクトしたプレイリストをSpotifyの「Girl‘s Collection」にて公開中。

カミラ・カベロ、シルク・シティ、リタ・オラに、最新作でコラボを果たしたチャーリーXCXといった、ポップス・シーンの最前線で活躍するアーティストによる曲だけではなく、彼女の音楽性に影響を与えたであろうスパイス・ガールズやマドンナといった往年のポップス、クランベリーズやソニック・ユースといったロックやパンク系のアーティストたちの曲が選ばれている。

新アルバムはもちろん、こちらのガールズ・パワー満載のパワフルなトラックリストも、併せてチェックしたい。

MØがセレクトしたプレイリスト「Girl’s Collection」

作品情報

アルバム試聴&購入リンク https://lnk.to/MO_ForeverNeverlandTG

MØ|Forever Neverland

ムー|フォーエバー・ネバーランド

2018 年10 月24 日(水)発売
(UK:10 月19 日発売)
14曲+ボーナス・トラック3 曲収録/ ¥2,200+税/ SICP-5908 / 通常盤/ 歌詞・対訳付き

  1. Intro|イントロ(パープル・ライク・ザ・サマー・レイン)
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, Kurtis McKenzie, Mike Riley & Adam Feeney)
    Produced by Kurtis McKenzie, Frank Dukes, Scribz Riley & Stint
  2. Way Down|ウェイ・ダウン
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, Cara Salimando, A.S. Govere, Letter Mbulu & Caiphus Semenya) Produced by Stint
  3. I Want You|アイ・ウォント・ユー
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya & Sarah Aarons)
    Produced by Stint
  4. Blur|ブラー
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, Kristoffer Fogelmark & Albin Nedler)
    Produced by Stint & M0nkey Business
  5. Nostalgia|ノスタルジア
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, John Hill, Cass Lowe, Kurtis McKenzie, and Mike Riley)
    Produced by Stint
  6. Sun In Our Eyes (w/ Diplo)|サン・イン・アワー・アイズ
    (Written by Karen Marie Ørsted, Thomas Wesley Pentz, Ilsey Juber, Henry Allen & John Hill.)
    Produced by Diplo, John Hill & King Henry
  7. Mercy (feat. What So Not) |マーシー(feat. ホワット・ソー・ノット)
    (Written by Karen Marie Ørsted, Jaramye Daniels , James Flannigan, Chris Emerson, & Georgia Ku)
    Produced by What So Not & James Flannigan
  8. If It’s Over (feat. Charli XCX) |イフ・イッツ・オーバー(feat. チャーリーXCX)
    (Written by Karen Marie Ørsted, Charlotte Emma Aitchison, Tor Erik Hermansen, Ori Kaplan, Ross Birchard & Jocelyn Donald.)
    Produced by Stargate for 45th & 3rd Music LLC & Hudson Mohawke
  9. West Hollywood|ウェスト・ハリウッド
    (Written by Karen Marie Ørsted & Ajay Bhattacharyya)
    Produced by Stint
  10. Beautiful Wreck|ビューティフル・レック
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, Kristoffer Fogelmark, Albin Nedler, & Madison Love)
    Produced by Stint, additional production by M0nkey Business
  11. Red Wine (feat. Empress Of) |レッド・ワイン(feat. エンプレス・オブ)
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, BeatsByMantra, Jesus ‘DalePlay’ Herrera & Lorely Rodriguez)
    Produced by DalePlay, Stint & Mantra
  12. Imaginary Friend|イマジナリー・フレンド
    (Written by Karen Marie Ørsted, Carlo “Illangelo” Montagnese , Noonie Boa & Billy Walsh)
    Produced by Carlo “Illangelo” Montagnes
  13. Trying To Be Good|トライング・トゥー・ビー・グッド
    (Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya)
    Produced by Stint
  14. Purple Like The Summer Rain|パープル・ライク・ザ・サマー・レイン(Written by Karen Marie Ørsted, Ajay Bhattacharyya, Kurtis McKenzie, Mike Riley & Adam Feeney)
    Produced by Kurtis McKenzie, Frank Dukes, Scribz Riley & Stint
  15. Final Song|ファイナル・ソング*
    (Written by Karen Marie Orsted, Uzoechi Emenike & Noonie Bao)
    Produced By MNEK
  16. Kamikaze|カミカゼ*
    (Written by Karen Marie Orsted, Mads Damsgaard Kristiansen, Thomas Pentz aka. Diplo, Philip Meckseper aka. JR. Blender, Boaz De Jong)
    Produced By Diplo & Boaz
  17. Nights With You|ナイツ・ウィズ・ユー*
    (Written by Karen Marie Ørsted, Benjamin Levin, Ryan Tedder, Magnus August Høiberg, SOPHIE)
    Produced by: Benny Blanco, Cashmere Cat, and SOPHIE

*国内盤限定ボーナストラック